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防災コラム
平成18年11月21日

トリアージ

 大規模災害が発生し、多数の負傷者がでたときの医療の考えかたはどうなっているのでしょうか。
 日常診療では、一人の患者・傷病者に対して、最良の医療を行うべく、医療スタッフや器材・薬剤を投入することができます。一方、災害時の医療は、傷病者の数に比して限られた医療スタッフ・搬送機関・器材・薬剤を最大限に活用して、最大多数の傷病者に最善の医療を行うことが求められます。いいかえますと、緊急度や重症度の高い人から順番に搬送・治療に当たるという考えかたであります。例えば、手の骨折があるけれども歩けるような人と歩くことができず呼吸が止まりかけている人がいたとします。どちらの人を先に治療した方がよいでしょうか。
 あまりに多くの人が同時に受傷した災害現場では、生命の危機に瀕している人から優先的に搬送・治療を開始することになり、ケガをしているけれども命に別状のない人の搬送・治療は後回しにならざるをえなくなってしまいます。つまり、傷病者に優先順位をつけること ――これをトリアージといいます―― が行われます。現場で救命士・医師・看護師などが、緊急度・重症度に応じてトリアージタッグという長方形の紙(12×24cmぐらい)をゴムひもで傷病者の手に付けて回るのです。トリアージタッグは色分けされていて、赤・黄・青・黒の順番で搬送・治療が行われます。色分けすることで、多数の傷病者の中から誰が最も治療を必要としているか一目で識別できるようになります。
 トリアージの概念は、第一次世界大戦後以降に確立し、集団災害時の医療に取り入れられてきました。日本では、阪神・淡路大震災後に広まりつつあります。

三重大学大学院医学系研究科
教授 丸山一男

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三重県 防災対策部